かくれ脱水
「かくれ脱水」とは、脱水症の一歩手前で、体に必要な水分や電解質が不足している状態を指します。
自覚症状が現れにくいため、本人や周囲が気づかないうちに進行してしまうことがあります。
特に高齢者や乳幼児は、のどの渇きを感じにくかったり、体調の変化をうまく伝えられなかったりするため、注意が必要です。
かくれ脱水のサイン(症状)
かくれ脱水のサインは、一見すると脱水とは関係ないように思えることもあります。
以下のような症状が少しでも見られたら、かくれ脱水を疑いましょう。
- 口の中
- のどの渇きを感じる(すでに水分が不足している可能性が高い)
- 口の中や唇が乾燥している
- 舌の赤みが強かったり、ひび割れがあったりする
- 体
- なんとなく体がだるい、疲れやすい
- 集中力が続かない
- めまいや立ちくらみ
- 手足が冷たくなっている
- 足がつる、筋肉痛
- 微熱がある(37℃前後)
- 肌
- 皮膚にツヤがなく乾燥している
- 手の甲の皮膚をつまんで離したとき、すぐに元に戻らない
- 爪を押した後、3秒以上たっても色が白色からピンク色に戻らない
- 排泄
- 尿の色が濃い
- 排尿の回数や量が減っている
- 便秘気味になる
予防と対策
かくれ脱水を防ぐためには、日頃から意識して水分を補給することが重要です。
- こまめな水分補給
- のどが渇く前に、少量ずつこまめに水分を摂る習慣をつけましょう。
- 起床時や入浴前後、就寝前など、水分が不足しがちなタイミングでの水分補給を心がけましょう。
- 一度に大量の水を飲むと、かえって体内の電解質バランスが崩れることがあるため注意が必要です。
- 水分補給の種類
- 日常的な水分補給には、水やお茶などが適しています。
- 大量に汗をかいたときや、すでに軽度の脱水症状があるときは、水分だけでなく塩分(電解質)も補給できる経口補水液やスポーツドリンクが効果的です。
- 食事からの水分補給
- 食事からも水分は摂取できます。汁物やあんかけ料理、果物、野菜などを積極的に摂りましょう。
- 食欲不振がある場合は、ゼリー飲料なども活用できます。
- 環境の整備
- 室温は28℃以下、湿度は50~70%程度を目安に、エアコンや加湿器、除湿機などを活用して快適な環境を保ちましょう。
- 特に、冷房の効いた室内は空気が乾燥しやすいため注意が必要です。
もし、上記のような症状が見られる場合は、涼しい場所に移動し、水分補給をして安静にしてください。
症状が改善しない場合や、頭痛、吐き気、意識障害などの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
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