機能性表示食品の新商品が続々登場。選ぶ上で気をつけることは?
機能性表示食品は、健康意識の高まりとともに市場に溢れています。
ご自身の目的に合った商品を安全に、かつ賢く選ぶために、気をつけるべきポイントをまとめました。
機能性表示食品を選ぶ上で気をつけること
機能性表示食品は、事業者の責任で科学的根拠に基づいた機能性を表示していますが、国による審査・許可を受けたものではありません(特定保健用食品/トクホとの最大の違い)。
そのため、消費者自身がパッケージ情報や広告をしっかり見極める必要があります。
- 「医薬品ではない」ことを理解する
- 目的を正しく認識する: 機能性表示食品は、あくまで疾病に罹患していない人の健康維持・増進を目的とした「食品」です。
例:「この病気が治る」「〇〇の治療に」といった医薬品のような効果は謳えません。
- **「疾病の診断、治療、予防を目的としたものではない」**という注意書きが必ず記載されています。病気の治療が必要な場合は、必ず医療機関を受診してください。
- パッケージの必須表示事項をしっかり確認する
パッケージの裏面などに記載されている以下の情報は、必ずチェックしましょう。
- 機能性関与成分(きんようせいかんよせいぶん): 科学的根拠の対象となった具体的な成分と、その含有量。
- 届出表示: 消費者庁に届け出た、具体的な機能の内容(例:「血圧を下げる機能が報告されています」)。
- 一日当たりの摂取目安量と摂取方法: 過剰摂取はかえって健康被害につながる可能性があるため、必ず目安量を守りましょう。
- 摂取上の注意: 薬を飲んでいる人や特定の疾患を持つ人が注意すべき事項、アレルギー情報など。
- 連絡先: 健康被害などがあった場合に連絡する事業者の情報。
- 広告・宣伝の表現に惑わされない
機能性表示食品の広告には、景品表示法や健康増進法に基づき、誇大な表現が禁止されています。
- チェックポイント:
- 「誰でも必ず痩せる」「絶対治る」といった断定的な表現。
- 体験談で、届出された機能の範囲を超えた効果を強調している。
- 食事や運動の制限なしで効果が得られるかのような誤解を与える表現(例:実際には臨床試験で食事・運動指導が併用されていた場合)。
もし広告とパッケージの表示に大きな乖離があると感じたら、購入を控えるか、後述の消費者庁のデータベースで確認しましょう。
- 科学的根拠(エビデンス)を確認する
- 消費者庁のデータベースを活用する:
- 機能性表示食品には全て「届出番号」が割り振られています。
- 消費者庁の機能性表示食品の届出情報検索サイトでこの番号を検索すると、安全性や機能性の根拠となった研究情報(臨床試験や研究レビューの概要)を閲覧できます。
- ご自身の目で、どのような研究に基づいているのかを確かめることができます。
- 基本は「バランスの取れた食生活」
- 機能性表示食品は、あくまで食生活を補うものです。
- パッケージにも「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」と記載されています。
- 特定の成分を摂るだけでなく、規則正しい食生活、適度な運動、十分な休養が大前提であることを忘れないようにしましょう。
ご自身の体調や目的に合った成分(例:GABA、乳酸菌、DHA・EPAなど)を把握し、表示情報を確認して、上手に活用してください。