近年、穴あきレンゲがラーメンの塩分摂取量を減らすのに役立つ可能性があるという研究結果が注目されています。
穴あきレンゲと塩分摂取量の違い
ある研究では、一般的なレンゲを使用したグループと、穴あきレンゲを使用したグループでラーメンを試食してもらったところ、穴あきレンゲを使ったグループの方が、食後の塩分摂取量(尿中ナトリウム排出量から推計)が有意に少なかったという結果が出ています。
- 一般的なレンゲ: 塩分摂取量(中央値)が約 $2.4 \text{g}$
- 穴あきレンゲ: 塩分摂取量(中央値)が約 $1.8 \text{g}$
- 差分: 約 $0.6 \text{g}$ の減少
穴あきレンゲの効果のメカニズム
穴あきレンゲは、具材や麺をすくう際に、余分なスープ(汁)が穴から流れ落ちるように設計されています。
- 具材だけをすくいやすい: チャーシューやコーン、ひき肉などの具材だけを狙ってすくうことができるため、意図せずスープを飲む量が減ります。
- スープの摂取量抑制: レンゲで口に運ばれる液体の量が減るため、結果的にラーメンの塩分の大部分を占めるスープの摂取量が自然と抑えられます。
この方法は、味や満腹感を損なわずに塩分摂取量を減らすための「ナッジ(そっと後押しする工夫)」の一つとして期待されています。
高血圧予防などの観点から塩分コントロールが必要な方にとって、ラーメンを美味しく食べながら手軽に減塩できる一つの工夫と言えるでしょう。